はじめに

私は聴力情報処理障害(APD)という診断を受けました。これまで、このような障害が世の中にあるなんて、想像もつきませんでした。認知されていない障害なので周囲の理解を得るのも難しいです。障害と気付いていないまま、悩んでいる方も多いのではないかと思います。情報共有などを通してこの障害で苦しんでいる方のお役に立つことができ、少しでも社会で認知されるよう、活動していきたいです。

話を聞き取れない障害

聴力には問題がなく、話を音としては聞こえても、言葉として聴き取れない障害。聴力情報処理障害(APD)。聴力情報処理障害の診断を受けた私が、これまでの人生をを振り返り、今まで認識していなかったが、APDによるものと思う事柄を挙げてみます。

  • 幼少期の記憶が視覚のみ
  • 同級生が幼少期に見たアニメの内容を詳細に記憶していて驚いたことがある
  • 学校では先生の指示は聞いても飲み込めず、周りの人の様子を見て行動していた
  • 低学年の頃、通学団会(地域により登校班会議 など)の教室移動で困った
  • 文字を覚え、教科書が読めるようになるまで、勉強について行けなかった
  • 授業で先生が喋る内容はほとんど理解できなかったが、自宅で教科書を熟読して理解した
  • 語学はリスニングよりリーディングの方が得意
  • 資格試験など独学で学んだことが多い
  • 騒がしい中で少し離れたところにいる人の声は音としては聞こえるが、言葉として聞こえないので、飲み会は苦手 (カクテルパーティ効果が働かない)
  • 大人数が苦手で少人数が気楽
  • セリフが聴き取れず、ドラマの内容が頭に入らないのでテレビに字幕を付ける
  • 話を聞きながらメモを取るのが苦手
  • 電話を取るのが苦痛
  • イヤホンマイク(イヤホンとマイクが一体になった音声入出力装置)を使った接客は地獄。お客様との会話とスタッフとの連絡を同時にこなすのは無理。
  • 話が長いと内容が覚えられない
  • 聞き返すのが億劫で、聞き取れなくても理解したふりをする
  • あのとき、こう言い返せば(切り返せば)良かったのに、どうして思い浮かばなかったのだろうと悔しい思いをする事が多い
  • 口頭指示を受けた直後、しばらく頭の中で内容を整理するのに時間がかかる
  • 口頭指示で分からない単語が出ると、その意味に気を取られ、全体の内容が飛んでしまう
  • 初めて聞く単語が聞き取りにくい
  • 「言われたことが出来ていない」とよく言われるが、そもそも言われた覚えがない
  • 言葉が不明瞭で苦手に感じる人が何人かいる
  • 会話をすると、手が止まる
  • 聞き返すのに億劫どころか、初めて異性に告白するような、勇気が必要 (APDでは他にも発達障害を併発することが多く、それが原因になっている可能性も)
  • 「一度で覚えてください」「どうしてメモを取らないんですか」という言葉に苦しめられる

  • このようなことで、悩んでいませんか?私は仕事を失いました。失敗を防ぐ、繰り返さないためにも原因をはっきりさせる必要があります。同じかも・・・と思ったら、病院での受診をお勧めします。

    聴力情報処理障害は脳の機能障害ですが、病院で診察を受ける場合、まず、耳鼻科を受診します。診断の前提で聴力そのものに問題がないことを確認する必要があるからです。

    聴力情報処理障害(APD)はあまり知られていない障害です。医療現場でも同様です。APDを知らない耳鼻科で診察を受けても「聴力には問題ありません」としか言ってもらえないかもしれません。専門医の受診をお勧めします。専門医が非常に少ないので、私は新幹線で二時間かけて東京の耳鼻科(ミルディス小児科耳鼻科)を受診しました。

    最後に重要なことをここに記します。APDの診断が確定しても、現時点で治療法はありません。ただ、原因がはっきりすれば、その対処法を探ることはできます。問題を乗り越える、回避する、軽減する方法がいろいろあるのではないかと思います。

    対処法として思い浮かぶこと

    注意:在職中の方は職場によっては理解が得られず、解雇に追い込まれる可能性があるかと思います。職場では慎重に。

  • 障害という言葉を使わず、「言葉を聴き取るのが苦手なので」という表現で周囲の理解を得る
  • 学生の方は教科書や参考書などを使った文字ベースの学習をすすめる
  • 文書で指示をしてもらう
  • 進行中の仕事をメッセンジャーやTwitterなどで周囲に知らせて逐一、確認してもらう
  • 話しかける際に、「ちょっと、いい?」と言うようにしてもらう
  • 一度に複数の指示は避けるようにしてもらう
  • デジタル耳栓の使用を検討する
  • 「耳トレ」で脳を鍛えてみる
  • うつ病や発達障害を併発している場合は障害者手帳を取得し、障害者枠での就業や税金面での優遇を受ける
  • 「発達障害」等のキーワードで障害者支援団体を探し、就業などのサポートを依頼する
  • APDの診断が可能な病院

    宮城県
    マドレクリニック 心療内科・精神科

    東京都
    ミルディス小児科耳鼻科

    大阪府
    しまだ耳鼻咽喉科医院

    この他、受診可能な病院がありましたら、お知らせください。

    精神科・心療内科等との連携によりAPDの診断が可能な耳鼻科

    現在、調査中。情報提供、宜しくお願いします。

    APDにある程度の知見があり、診断は難しいが相談できる耳鼻科

    熊本県
    たかむら耳鼻咽喉科

    この他、該当する病院がありましたら、お知らせください。

    病院が見つからない、遠くて行けない

    病院が見つからない、遠くて行けない場合は、是非、可能な限り見つかるまで、近所の耳鼻科、精神科、心療内科に「聴覚情報処理障害の診断は可能ですか?」と、問い合わせてみて下さい。皆様のその行動の積み重ねで、この疾病の認知を広げることができます。最終的には最寄りの大学病院への耳鼻科に問い合わせることになるかと思います。

    ご意見、ご感想をお寄せください。メッセージはこちらまで。



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